和歌山放送が主催し、１９６８（昭和４３）年から４０年にわたり放送している「わたくしの作文」の平成１９年度年間表彰式が２０日午後１時から和歌山市民会館市民ホールで開かれ、私も東京から朝一番の飛行機で帰り参加してきました。休日でしかも雨の中、６０００人の作品の中から文部科学大臣賞に選ばれた和歌山県立向陽中学校２年、磯辺菜々（いそべ・なな）さんら２２人と学校関係者、受賞者のご家族らが多数参加してくれました。
この事業を支えていただいている国語教育の先生方をはじめ、後援文部科学省、県、県教委など、さらには提供の和歌山県農協連合会、わかやま市民生協、財団法人雑賀技術研究所など、団体、企業の皆様に心から感謝申し上げます。ほんとうにありがとうございました。
今日表彰された２２人の作文は、応募の約６０００点の中から選ばれただけあって、いずれも素晴らしい感性と表現力で身近な生活のことが生き生きと描かれています。昨今は子どもたちをめぐる暗い深刻なニュースがあふれていますが、「わたくしの作文」を読むと、家族の絆、地域の絆、いたわりの心などが、まだ健在だと言うことがわかりほっとします。
人間の基本と申しましょうか、原点である情操教育、日本語の教育というものをご家族の皆さんが大事にしてお子さんを育てておられることがひしひしと伝わってきます。また子どもさんの国語教育を現場で指導し、その能力を十分引き出しておられる先生方にも改めて敬意を表したいと思います。
和歌山放送は今年会社創立５０周年、来年４月が開局５０周年と大きな節目を迎えますが、この「わたくしの作文」は、創立
１０年の１９６８年当時の関亨社長が、国語の乱れ、国語の貧困をなんとかストップさせたいと危機感からスタートさせたものです。先輩がスタートさせたキャンペーンは大変先見性があり、地味ですが４０年間続けてきたことはわが社の誇りでもあります。
ＴＶやインターネット、ネットゲームや携帯電話と世の中ますます便利になって、子どもたちをめぐる環境が厳しくなってきたいまこそ、このキャンペーンはますます重要になっているのではないかと思います。
和歌山放送では、伝統の「わたしの作文」をしっかり継承していくと同時に、１昨年から少年が危ないキャンペーン「笑顔はじけて」をはじめたのに続き、この春からは、スポーツや文化活動ボランティアなどで活躍する子どもたちの「いい話」とどんどん取り上げていこうと番組づくりのスタッフがいま検討中です。
テレビなどで子どもをめぐる暗いニュースばかりがこれでもかこれでもかと取り上げられと、世の中さらにおかしくなります。 そんな日本のマスコミの報道姿勢にも対抗し（？）、地域密着、地域応援のラジオ放送局として画期的な新番組が出来るといいのですが…。
□和歌山放送ニュース再録
◎平成１９年度「わたくしの作文」年間表彰式
和歌山放送が昭和４３年から４０年にわたり放送している「わたくしの作文」の平成１９年度年間表彰式が、きょう(２０日)開かれ、最優秀作品である文部科学大臣賞の和歌山県立向陽中学校２年、磯辺菜々（いそべ・なな）さんら２２人と学校関係者らが表彰されました。
「わたくしの作文」は、和歌山放送が国語教育の振興のため１９６８年、昭和４３年から、和歌山県内の小中学生の作文を放送しているもので、今年度も６０００点を超える作文が寄せられました。
表彰式はきょう（２０日）午後１時から和歌山市民会館市民ホールで行われました。文部科学大臣賞に選ばれた和歌山県立向陽中学校２年、磯辺菜々さんの「いつも心に菜の花を」は、通学路に咲く菜の花を題材にした作文で、審査員からは「書き出しから引きつけられ、情景が浮かんでくる。」「語いが豊富で文章が流れるように続いている。」などの意見が出され高く評価されました。
そのほか、和歌山県知事賞には和歌山市立雑賀小学校２年、澤田竜都（さわだ・りゅうと）くんの「赤ちゃんが生まれる」、紀の川市立桃山小学校５年、阪口彩佳（さかぐち・あやか）さんの「わたしのねがう朝」、海南市立亀川中学校３年、東方志帆（とうほう・しほ）さんの「あいさつ」が選ばれたほか、和歌山県教育委員会賞、和歌山放送賞などあわせて２２編の入選作品が表彰されました。
入選作品は、月曜日から金曜日の午後０時４０分から放送の「わたくしの作文」で４月１日から本人の朗読により披露されます。
（０８年３月２０日15:40 報道部）
