
和歌山日米協会の第3回総会が19日、和歌山市内のホテルであり、駐大阪・神戸米国総領事館のエドワード・ドン総領事が「これからの日米関係」と題して記念講演をしました。2006年の設立時からかかわっていますが、オバマ大統領が就任したばかり、ましてやクリントン国務長官が来日した直後の総領事の講演だけに期待を膨らまして参加しました。中国系アメリカ人のドン総領事の講演はすべて日本語で「昨年の感じは“変”、一昨年は“偽”でしたが、私は今年の漢字として“望”と予想しています。絶望という状況から待望、切望する、オバマ政権がそうですが、あまり期待が大き過ぎて失望とならないよう、ぜひとも希望の実現の年にしたいものです」と延べるなど、参加者の心をぐっとひきつけるものでした。 また、「アメリカの有権者は、経済危機などの不安・不満から、偽者のリーダーでなく、本物のリーダーとしてオバマ氏を選んだのだと思います」とし、本物のリーダーとしての定義として「予備選挙の相手、ライバル候補だったヒラリー・クリンソン氏を私のボス、国務長官に選んだことで明らかです」とも。
またオバマ政権が、「チェンジ」した具体的な話として、クリントン長官は、日本滞在中、政府関係者と会うばかりでなく、拉致被害者の会や東大生などさまざまな人々、スマートピープルから、まず意見アイデイアを聞くことから政治を始めることを重視しています。それがアメリカが目指す「スマートピ-プルからスマートなアイディアを聞く政治、スマートパワーです」と、ブッシュ政権との違いを強調していました。
こうしたオバマ新政権の考え方を、決して流暢ではないのですが日本語で真剣に訴えるドン総領事の姿勢は、心から感動を覚えるものがありました。
また役員らとの懇親会でも気さくに付き合っていただき、参加者は、全員がドン総領事の熱烈なフアンになっていました。
ちなみにドン総領事は、広東省出身、奥さんは日系(島根県がルート)アメリカ人。「家庭での言葉や教育などはどうされていますか」という質問には「家庭の50%は日系、50%は中(国)系ですが、全員100%アメリカ人です」とユーモアあふれる回答が帰ってきました。またアフリカ系黒人としての大統領についても、「ハワイやインドネシアで育つなどアジア系と言ってもいいのではないでしょうか」とも述べるなど、楽しい会話が飛び交っていました。

□和歌山放送ニュース再録
◎和歌山日米協会第3回総会開催
日本とアメリカの相互理解を深めようと2006年に設立された和歌山日米協会の第3回総会が、きょう(19日)、和歌山市内のホテルで開かれ、駐大阪・神戸米国総領事館のエドワード・ドン総領事が「これからの日米関係」と題して記念講演をしました。
和歌山日米協会の第3回総会は、きょう午後5時から和歌山市のダイワロイネットホテルで開かれ、およそ50人の会員や名誉顧問の仁坂吉伸知事らが出席しました。総会ではまず、和歌山日米協会の佐谷勉(さたに・つとむ)会長が、「オバマ新大統領の下、アメリカは大きく変わろうとしている。アメリカの国や人々を正しく理解し、信頼と友好を築いていく時期にある。」と挨拶しました。
このあと駐大阪・神戸米国総領事館のエドワード・ドン総領事が「これからの日米関係」と題して記念講演をしました。ドン総領事は、カリフォルニア大学バークレー校を卒業後、1978年にアメリカ国務省に入省、主に東アジア地区を担当し、去年9月から駐大阪・神戸米国総領事を務めています。
講演の中でドン総領事は、「アメリカは今の経済に絶望し、変革を希望した。希望の実現にはアメリカ政府だけでなく国民の協力が必要。また他国の意見も必要で、日本とアメリカの両国間の協力を通じて経済問題を解決していけるのではないか。」と、日本とアメリカの協力関係の大切さを話しました。
(2009年02月19日18:18 報道部)