
和歌山放送開局50周年特別企画「第78回和歌山放送情報懇談会」−慶応義塾大学教授竹中平蔵氏講演と同級生・恩師鼎談ーが23日午後、和歌山市のホテルアバローム紀の国で開かれました。竹中氏は、小泉政権のもとで民間から金融担当や郵政民営化担当大臣などに抜擢され、構造改革の知恵袋であり牽引役を果たした稀有の人物。公職を離れた今でも論客として知られ、政治が混迷を深めれば深めるほどその言動は注目を集めています。
「2009年日本経済の展望と和歌山への期待」と題した講演では、キーワードとして「ティッピングポイント(TP、臨界点、沸騰点)」という言葉をあげながら、「米国発の経済危機などやがておこるであろう、と恐れていた厳しい現象がいよいよ現実のものになっている。ピンチはチャンスでもあり、どうせ変らざるを得ないなら、一気に根こそぎ変えよう。中途半端だともっとピンチになる」と、“竹中節”で改革の必要性を訴え、約150人の聴衆は熱心に聞き入っていました。



また講演では「日本の経済は、技術、資本、人材いずれも素晴らしく、強いリーダーで改革を進めれば強くなります」。さらに
和歌山は「関空という国際空港から30分という恵まれた環境にある。文化・観光のほかこれまで個人経営でマーケティングというものがなかった農業に法人経営を認め、マーケティングをしっかりすれば自立できるし、後継者も育つ」など多くの提言をしてくれました。
第2部では、県立桐蔭高校で同窓、隣のクラスだったという仁坂吉伸県知事、恩師だった小関洋治・和歌山県文化財センター理事長との鼎談があり、自由闊達でクラブ活動や早朝サッカーなど生徒たちが伸び伸びと自主運営する当時の高校生活の想い出を語り合いました。
竹中氏は「経済学者になろうとしたのも、倫理社会の先生宅にお邪魔して、世の中どんな風にしたら良くなるのか?と青臭い質問をした。それに対して、難しい質問だが、世の中の基本の経済や法律などをしっかり勉強することだ、と答えていただいたのがきっかけだった。生徒をエンカレッジし、鼓舞してくれた先生に感謝しているし、桐蔭にはそんなおおらかさがあった」などと振り返っていました。
情報懇談会でせっかく集まった各界の人たちが、知り合い、コラボで何か生まれたら、との思いで開いている交流会では、竹中氏ら講師陣と、高校の同級生や先輩後輩、経済界のリーダーらと交流、談笑の輪が広がっていました。