


和歌山出身の世界的な箏曲家・西陽子さんを地元でもっと知って貰い、応援しよう、というコンサートが11日午後、和歌山市のホテルグランヴィアでありました。天女が舞い降りて天上の調べを奏でてくれている…。そんな感動を味わい、至福の時間を過ごさせてもらいました。


コンサートで演奏されたのは、オリジナル曲から古典的な筝曲までの6曲。
スタートは、琴の絃にクリップを挟み、スーパーボールに竹串を差した即席の楽器でアフリカの楽器カリンバの音から発想を得て箏のソロとして西さんが作曲したという「アフリカンエアー」。東京芸大の後輩で作曲家でピアニストの大塚茜さんとコラボレーション、ピアノと箏の即興演奏は、これまで聞いたことのない琴の音を引き出し感動的でした。
また世界の民族音楽を聞くのが好きというだけにジプシーのツィンバロン(両手にバチを持って絃を叩いて鳴らす楽器)ための曲を箏の奏法にアレンジした早弾きの作品「三つの舞曲」ては、その人の動きはここまで鍛え上げられるか、と思わす早弾の技に会場から感動の拍手が湧き上がりました。
一方では、古典的な箏と巫女のような語りも取り入れた「鹿(のうた…」「サザンクロス」などいずれも素晴らしいもので、琴の演奏会というよりも、感性豊かなアーティストがたまたま琴という伝統的な楽器を使い、独自の自由な世界を表現していると言うほうがぴったりで、幻想的な音の世界を堪能しました。
西陽子さんは、昨年ソロコンサートでワシントン、ニューヨーク、シカゴを回るアメリカツアー、今年はハンガリー、ドイツツアーなど国際的に活動して高い評価を得ていますが、地元でのまとまったコンサートはこれまでありませんでした。
きっかけは、昨年1月スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラムの東京ナイトで演奏していた西さんと、理事として参加していた元総務大臣の竹中平蔵さんが偶然知り合ったのがきっかけ。
桐蔭高校の先輩後輩ながら、竹中さんにしても、才能豊かな後輩の存在を知ったのはこの時が初めてだったといい、「筝曲家 西陽子を応援する和歌山人の会」を立ち上げ、代表として今回のコンサート開催にこぎつけました。
私も、竹中さんと今年2月和歌山放送の情報懇談会(「慶応大学教授竹中平蔵氏講演と同級生・恩師鼎談」)でお会いした際、「西陽子さんの地元での開催を」と協力要請を受けていました。
私といえば、西さんのことは、桐蔭高校の卒業生で世界的に活躍する筝曲家ということは知っていましたが、ダボス会議などで演奏するなど最近の世界的な活躍は知リませんでした。
地元ラジオ局にいて、「和む歌が山ほどある和歌山に」というスローガンで地元ミュージシャンを応援していこうと言いながら、その不明ぶりを恥じるばかり。竹中さんと「才能豊かなミュージシャンをもっと応援していきましょう」ということで話が進んでいきました。