2010年10月14日

コスモス国際賞授賞式

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(コスモス国際賞を受賞したエステラ・レオポルド博士=中央)

花の万博記念「コスモス国際賞」の授賞式が14日、大阪市城見のいずみホールでありました。今回の受賞者は、米国の花粉学者、古生物学者で父親と親子2代にわたって自然保護に大きな功績があったワシントン大名誉教授のエステラ・ベルゲレ・レオポルド博士(83)。大阪で開催された国際花と緑の博覧会から今年はちょうど20年の大きな節目の年。コスモス国際賞は、その時の理念「自然と人間との共生」の継承、発展を願って創設され今年で18回目です。その理念は、薄れるどころかますます重要度を増しているように思います。
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 物静かで自然を愛するエステラ・ベルゲレ・レオポルド博士の姿を拝見していると、1960年代農薬による環境問題を告発した米国の生物学者レイチェル・カーソン博士(1907-1964)の姿と重なって見えました。
 博士は、花粉学者で自然保護論者として、父親のアルド・レオポルド氏(1887-1948)が提唱した「土地倫理」の思想を継承、ダム建設計画で水没しかけたグランドキャニオン国立公園やコロラド州の貴重な化石層で現在は国定公園となっているフロリサント化石層などの保全活動で大きな功績があったそうです。
 父親は、その著書「野生のうたが聞こえる」(邦訳講談社学術文書)で、土地は単なる土壌でなく、水、植物、動物が共同体として相互依存の関係(生態学的共同体)にあるという「土地倫理」の思想を提唱、自然保護運動の先駆け的な存在。受賞の博士は、兄姉と一緒に父親のその思想を引き継ぎ財団を設けるなど自然保護活動を続けているそうです。
 財団法人国際花と緑の博覧会記念協会の今井敬会長(写真左)、花の万博記念コスモス国際賞委員会の岸本忠三・賞副委員長(写真右)から賞状やメダルを贈られその功績を讃えられたレオポルド博士は「自然と人間との共生という花の万博、コスモス国際賞の理念は、父が提唱した思想と共通しており、エレガントに言い表している。この栄誉は、環境保護のため献身的に活動してる多くの仲間たちのものであり、今後の活動に大きな勇気を与える」と喜びを語っていました。
 授賞式の後の祝典では、フルートの山形由美さんがこの祝宴のため結成したオリジナルアンサンブル「コスモスアンサンブル2010」とともに、博士のリクエスト曲のドボルザーク「新世界」など9曲を披露し、受賞を祝いました。
 大阪の花の万博は、大阪の社会部記者時代大阪市役所担当としてその開催までの経過を書き続けたこともあり、思い出深いイベントです。
 国際賞授賞式にはこうした縁もあって毎年招待状を頂き、やむを得ない事情がない限り参列していますが、今年、自然・環境の再生というテーマは例年以上にずしりと重いものを感じます。
 今夏の異常気象をみても、地球温暖化問題など自然・環境の再生は「待ったなし!」のテーマです。和歌山放送でも社員らが議論を重ね、来年5月の田辺市で開催される第62回全国植樹祭にあわせ全社上げてのキャンペーンをはじめているところです。
 今日の授賞式は、われわれのキャンペーンにも大きな勇気とエネルギーを頂いたように思います。
                                                                                   
posted by wbs at 21:01| Comment(0) | あちこちの話
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