
第88回和歌山放送情報懇談会の「防災シンポジウム」が7日午後、和歌山市内のホテルグランヴィア和歌山で開かれました。懇談会には、関心の高いテーマでもあることから、大橋建一和歌山市長をはじめ県や各自治体の首長、防災担当者、各企業、団体のトップに加えて担当者ら百数十人が参加、約3時間の理論を最後まで熱心に聞いていただきました。講師やパネリストの皆さん、参加者の皆さんに心から感謝申し上げます。

(基調講演をする室崎益輝・関西学院大学総合政策学部教授)
今回は「東日本大震災の教訓・巨大地震・津波の脅威から生命を守る備えと課題」と題し、一言で申せば、あの3月11日、東北関東を襲った未曾有の大震災・大津波を受けて、東海、東南海、南海地震が近い将来必ず発生するとされるこの和歌山はどうなのか、これまでの防災計画は大丈夫なのか、県民の命、安全を守るためには今何をすべきなのかを、考えようと企画されました。
基調講演は、内閣府中央防災会議専門委員で関西学院大学総合政策学部教授の室崎益輝教授、その後のシンポジウムは、和歌山大学防災研究教育センター長の此松昌彦教育学部教授をコーディネーターに、パネリストには、室崎教授のほか、宇恵元昭・和歌山県危機管理監、串本町の田嶋勝正町長は、昭和南海地震を田辺市で体験した昭和南海地震語り部の柏木多美男さん、和歌山大学防災研究教育センターの照本清峰特認准教授と、防災の第一人者や最前線で活躍される専門家をお招きして開催することが出来ました。
このシンポジウムの模様は、和歌山放送で8月28日(日)午後8時から2時間にわたって特別番組で放送されます。
われわれ報道に携わるものもそうですが、今日の講演会、討論会の貴重な提言や提案が各自治体、企業・団体で活かされていくことになれば幸いです。
□和歌山放送ニュース再録
◎第88回和歌山放送情報懇談会開催(写真付き)
(2011年7月7日(木) 18:45)
第88回和歌山放送情報懇談会の「防災シンポジウム」が、きょう(7日)、和歌山市内のホテルで開かれ、内閣府中央防災会議専門委員で関西(かんせい)学院大学総合政策学部教授の室崎益輝(むろさき・よしてる)教授らが、近い将来必ず発生するとされる、東海、東南海(とうなんかい)、南海地震の発生を視野に入れた和歌山県の津波防災などについて議論を深めました。

和歌山放送情報懇談会はきょう午後3時から、和歌山市のホテルグランヴィア和歌山で開かれました。この中で、基調講演した室崎さんは、ことし(2011年)3月に発生した東日本大震災を教訓として、被災した東北地方の復興と、和歌山などそれ以外の地域の減災対策を進めることが重要だと指摘しました。
また、続いて開かれたパネルディスカッションで、3つの地震が同時に発生すると、最短で6分後には津波の第一波が到達するとされる串本町の田嶋勝正(たしま・かつまさ)町長は、津波防災対策のアクションプランに示された「揺れたら逃げる」の徹底を強調しました。
さらに、1946年(昭和21年)12月に発生した昭和南海地震を16歳の時に田辺市で体験し、天井まで水につかり、自宅裏山に逃げて助かった、柏木多美男(かしわぎ・たみお)さんは、津波の恐ろしさを子どもたちに語り継いでいる、防災教育の取組みを話しました。そして高台への避難をいち早く行うことが大事と訴えました。
和歌山放送では、きょう行われた シンポジウムの模様を、8月28日(日)の午後8時から2時間にわたって特別番組で放送します