(なでしこの世界制覇を報じる19日毎日新聞朝刊1面)
ドイツで開かれていたサッカーの女子ワールドカップ(W杯)。日本時間18日午前3時45分開始という米国との決勝戦を早朝から起きて興奮しながら見ました。これまで勝ったことのない大敵に小さな体のなでしこたちが不屈の精神で奇跡の勝利をつかんだ試合は、どんな映画や小説よりの感動的なドラマでした。東日本大震災以来、ニュースと言えば災害報道が中心になるのは当然ですが、人災に近い原発の放射能汚染、後手に回る政府の対策、党利党略に明け暮れる国会…暗いニュースが続いていただけに、心から感動しました。そして何度もその感動のシーンをテレビで見ましたが、丸1日遅れの新聞も、何度もかみ締めるように読みました。
米国とは過去24度対戦し、21敗3分けだそうですから、序盤猛攻を受けたときは正直「これはだめだ。力が違いすぎる」と思いました。しかし耐えに耐え、また後半、延長戦と2度先行を許す苦しい展開ながら、決してあきらめずまさに神業のようなゴールで追いついてPK戦に。
もうこの段階では、日本側の笑顔と緊張で硬直した米国側の選手たちの対照的な映像。すでに勝負あった!という確信がありましたが、GK海堀あゆみ選手がスーパーセーブを連発して、奇跡の勝利は現実のものとなりました。
「世界中の友人たちへ 支援に感謝します」と英文で書かれた横断幕を手に場内を回る姿も感動的でしたが、毎日新聞の外信面には「なでしこ世界に驚き」の見出しで、欧州、米国、中国などの報道振りがまとめられていました。
中でも仏ルモンドが米ゴールキーパー・ソロが「プレーの正確さや粘り強さを称賛するとともに、東日本大震災を克服しようとする何か大きな力が勝利を呼び込んだ」との見方を。さらには英ガーディアン紙は「3月の地震と津波でいまだに動揺している国民に、心のやすらぎを与えるという偉大な目標に日本チームは常に動かされている」とし、米最強のFWワンバックが「米国以上に日本チームは勝つことを必要としていた。彼女らは決してあきらめなかった」と話したという記事が印象的でした。
この不屈の精神が、勝利の女神を日本側に微笑ましたのでしょう。
この外信面のほか、この日の朝刊は、1面のトップに余禄、ひと欄で佐々木則夫監督、社説、写真グラフ、運動面見開き、社会面見開きと久しぶりに明るいニュースで全面展開。こんないいニュースの氾濫は大歓迎。久しぶりにわくわくしながらなめるように新聞を楽しましていただきました。
