
小泉政権の内閣府特命担当大臣(経済財政、郵政民営化担当)の竹中平蔵氏が23日、海南市立総合体育館で開かれた国際ロータリー第2640地区大会で「この国の行方 改革を熱く語る!」というテーマで講演したことは、その日のWBSニュースで報道しましたが、その講演を私も直に聴いて日本の政治はいま大きく変りつつあるという実感を強く持ちました。中でも印象的だったのは、小泉構造改革路線の先にある日本の将来像についてです。竹中大臣は「各界の中堅の専門家60人に25年後2030年の日本のビッグピクチャー(大きな絵、将来像)を描いてもらった」と、 経済財政諮問会議が発表した25年後の「日本の21世紀ヴィジョン」に触れました。
「海外から日本を訪れる外国人数は現在600万人。25年後には4000万人まで可能」というビジョンの数字について、「4000万人はイタリアを訪れる外国人の数。私も報告を受けた当初は不可能だろうと笑ってしまったが、中国の経済成長率などを考えると十分可能だ」と述べました。
少子高齢化社会で人口減のマイナス面ばかり強調されていますが、構造改革をさらに進めると同時に、人口減を外国からの観光客からの交流人口増で補い社会の構造を変えていけばビジネスチャンスはあり未来は開けるという逆転の発想です。和歌山の将来像についても「自然に恵まれた海と山があり、高野山をはじめとした熊野古道などの世界遺産、さらに関西国際空港も近い。ここにビッグチャンスがある」と強調しました。
私も全く同感です。地方行政も国の補助金頼りの横並びの時代から、アイディアで自らの独自性を競うサバイバルの時代に入っています。全国、世界にアピールできる「観光立県ワカヤマ」像を明確に打ち出し、和歌山大学の観光学部新設をバックアップするなど官民が連携して知恵を結集する時ではないでしょうか。