2005年11月08日

加太の“一大トマト工場”に仰天

温室の天井まで成長したトマト.jpg
(温室の天井まで成長したトマト。収穫は高い作業車で移動)

和歌山市加太字炭谷のコスモパーク加太に完成した加太菜園株式会社(畔柳浩社長)を見学しました。昨年10月設立され、大規模ハイテク菜園とは聞いていましたが、、2階建ての高さの温室の規模(第1期分だけで面積5.2ha)、徹底した栽培管理はまさに“トマト工場”というもので、農業、菜園という概念を打ち破るものでした。先週金曜日の4日には初出荷され、そろそろ和歌山市内のスーパーなどに出回り始めているそうです。 この会社は、カゴメ(本社名古屋市)が70%、オリックス(本社東京都)が30%出資した大規模ハイテク菜園で、国内では初めての非農業生産法人として注目を集めています。
 栽培品種は、「こくみトマトプラム(たまご型)」「こくみトマトラウンド(中玉タイプ)」などカゴメブランド(コクがあっておいしい味という意味)の生鮮トマトが中心。カゴメが買い取り、主に近畿圏でスーパーなどで販売されます。
 現在稼動しているのは、1期分だけですが、外見を見ても、雨水タンクと選果場などと二階建ての高さのガラス温室が並んでいるだけで、清潔な精密工場というイメージです。
 園芸先進国のオランダで開発されたというガラス温室に入るには、ハイテク機器工場に入るときのように害虫や細菌を持ち込まないようにまず15秒間のエアシャワーを浴びます。温室内は、温度、湿度、潅水などすべてがコンピューターで自動制御。二階の高さまで成長しているトマトですが、その幹が植わっているのは土ではなく弁当箱の大きさの「ロックウール」。これは自然の岩石を溶かしてスポンジ状に固めたもので、このロックウールを培地にして液体肥料を与える栽培方法をとっています。
 トマトの幹を15−20bまで伸ばし、10ヶ月間の連続収穫が可能といい、温室の天井近くまで伸びた幹は誘導フックで吊るされ、高いところの収穫は2階建てぐらいの高い作業車で行い、この日も女性が作業車を動かしながら高いところで働いていました。
 現在約110人が働き、年間出荷量は1500tを計画、第2期(08年3月)、第3期
(10年5月)の計画があり、最終的には温室面積20.1haで年間出荷量6000tとアジア最大規模のトマト菜園となるそうです。
 ところでこの「こくみ」のトマト、畔柳社長によると、加熱して調理するとちょうど良い味を出すといい、イタリヤ料理はもちろんですが、日本料理のすき焼きなどに入れても絶妙な味だとか。日本料理の革命が加太から巻き起こると考えると楽しみです。
 また、ハイテクで徹底管理されたトマトですが、「葉っぱが擦れ合うなどのストレスがたまると成長に良くない」のだそうで、「やっぱり生き物だったんだ」となぜかほっとさせられる話でした。
posted by wbs at 18:19| Comment(0) | 和歌山元気印
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