2005年12月04日

名演説が世耕株と同時に日本の株も引き上げた?!

世耕 弘成・参議院総務委員長.jpg

 先週末の2日、印象的な講演を聞く機会に恵まれました。世耕 弘成・参議院総務委員長が和歌山県経営者協会の会員懇談会の席で行った「国政報告ー18年度の予算編成と主要施策等について」と題した講演です。中でもおもしろかったのは、日本の株価は、今月1日には日経平均株価で約5年ぶりに1万5000円の大台を回復しましたが、夏まで下がっていた株価が反転上昇しだしたのは、郵政民営化法案が否決された8月8日の参議院本会議で、賛成討論の演説をした「世耕演説」中だというのです。 あの演説は私も聞いていました。郵政民営化法案が衆議院はかろうじて通過したものの、参議院では否決、小泉首相が衆議院解散に踏み切ることが確実視されるという緊迫した中での本会議。自民党、公明党を代表して賛成討論に登壇したのが若き世耕さんでした。
 理論整然としかも堂々とした演説は、これまでの棒読みで形式的な国会討論の常識を覆すもので、私も思わず仕事の手を止めて聞き入るほどでした。
 中でも、公社から民営化された直後のNTTに就職、13年間勤務した体験から、民営化の改革にはいろいろな問題も発生するが、「社員にはチャレンジ精神がみなぎり、新商品の開発やお客様サービス向上へ向けた巨大なエネルギーが社内に満ちておりました」という発言は説得力がありました。
 そして何よりも新鮮だったのは「郵政民営化は、小泉総理よりはるか以前に提唱していた人物がおります」と、和歌山県出身で、初代郵政大臣に当たる初代駅逓頭を務めた浜口梧陵翁の話で締めくくったことです。浜口梧陵翁は、津波から住民を守った「稲むらの火」の逸話で知られていますが、事実上の初代の郵政大臣を務め、しかも将来は民間の経営にゆだねるのがよいと、民営化の必要性まで指摘していたことは初めて知りました。
 この演説は、「参議院史上に残る名演説」といわれ、総選挙の自民圧勝に果たした広報、マスコミ対策の功績と相まって永田町での「世耕株」を大いに高めたことは、これまでのブログでも指摘してきました。
 しかし、実際の株価まで上げる効果があったというのは初耳です。
 私は、株をやりませんし、検証した話ではありませんが、世耕さんの話によると、郵政民営化否決などの見通しからそれまで下がっていた株価は、ちょうど世耕さんの演説の途中から株価は上がり始め、それ以降上がっているとのことです。株価の動きは時間、分単位で検証できるといい、「知り合いのトレーナーに調べて貰ったので、間違いありません」とのことです。
 事実なら和歌山県人としてはもっと宣伝したい話ではありませんか。
 また、この演説にはもうひとつ隠れたエピソードが。これぐらいの重要法案の賛成討論ですから本来なら党の長老、ベテラン議員がやるべきところです。なぜ若手の世耕さんが、と私も違和感があったのですが、否決されるとが明らかな中での賛成討論という損な役回り、しかも郵便局関係者に嫌われては選挙にも不利と、誰もやる人がおらず世耕さんにお鉢が回ってきたんだそうです。
 そういう点からも、「世耕演説」は、大きく変わりつつある日本の政治の象徴で、ターニングポイントとして歴史に刻まれるものになるのかもしれません。
 
posted by wbs at 18:12| Comment(1) | 政治
この記事へのコメント
世耕さん、すごいですね。
株価まで救ってしまったのですね!?
でも、浜口梧陵の功績にも感動しましたが、
二階さんはじめ、世耕さん、谷本さん、竹中さんなど、紀州のマンパワーを見せてくれそうで
和歌山にとって、とっても楽しみですね♪
Posted by シーサー at 2005年12月05日 01:36
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