（都心とは思えない閑静な空間、清水谷公園）
（公園の一角には現在の紀尾井町周辺の地図とそれに対応した江戸（安政３年）の絵図も）
（大久保利通遭難記念碑も） 赤坂プリンスホテルがある東京千代田区紀尾井町周辺は、江戸時代大名屋敷が建ち並ぶ藩邸街で「紀尾井町」の紀は紀州藩の紀からつけられたことは、20日のブログ「紀尾井町の紀は…」で書きましたが、せっかくですから清水谷公園にあった掲示板からもう少し報告します。
清水谷公園周辺は、江戸時代の紀伊家（掲示板の表現のまま）と井伊家の屋敷境にある境が谷で、紀伊屋敷内に雲水（清水）が湧き出ていたことから、清水谷と呼ばれ、公園名もその地名から付けられたそうです。
明治11年（１８７８）には、現在の内閣総理大臣にも匹敵する立場の参議兼内務卿の職にあった大久保利通が、清水谷前の路上で殺害される「紀尾井坂の変」があり、公園内には今も記念碑が建っています。
紀州徳川藩の藩邸の面影を今に伝える閑静な公園が残ったのは、東京市が明治２２年、記念碑の発起人会から記念碑の敷地一帯の土地を寄贈するとの申し出を受けて都市計画決定し、明治２３年３月に清水谷公園として開園した、とあります。
公園内の掲示板には、現在の紀尾井町周辺図とともに江戸（安政３年、１８５６）時代の周辺の絵図（地図）もあり、赤坂プリンスホテルから清水谷公園、紀尾井町ビルにかけての広大な紀州藩上屋敷については、「紀伊和歌山藩（和歌山）紀伊中将慶福［徳川］五十五万五千石 ２４５４８坪」とあります。
ホテルニューオータニ周辺の井伊家は「近江彦根藩（滋賀）井伊掃部頭直弼 三十五万石 １４１７５坪余」、
上智大学周辺の尾張藩については「尾張名古屋藩（愛知）尾張中納言慶勝［徳川］ 六十一万九千五百石 １７８７０坪４合」という記述があり、当時をしのんであきることがありません。
