

(化粧直しで勇壮さに華麗さも加わった神輿おろし)
紀州東照宮の例大祭「和歌祭」が14日、和歌山市和歌浦の紀州東照宮とその周辺で行われ、私も参加してきました。前日までの雨がうそのような五月晴れ。今回神輿は鮮やかな金色に化粧直しされ、勇壮に108段の東照宮の石段を駆け下りる祭りのハイライト、神輿おろしでは新緑に担ぎ手の若者たちの白装束、それに神輿が陽光に金色に輝いて、勇壮さに華麗さも加わって見物客を魅了していました。
和歌祭りは徳川家康の旧暦の命日近くの日曜日に開かれている東照宮の春の例大祭。始まりは江戸時代の元和8(1622)年といわれ、380年以上の歴史をもち、紀州人の心意気、武勇を示すものとしてかっては日本3大まつりの一つに数えられるほどです。
伝統ある祭りも途中資金難などで何度も危機を迎えましたが、地元を中心に昭和60年に「和歌祭保存会」を設立、平成14年から現在のように行列奉行を先頭に御輿や面被(めんかぶり)などの行列が、東照宮から和歌浦漁港、片男波海岸、あしべ通りのコースを練り歩く「和歌浦地区の渡御」となったそうです。
和歌山放送では、「和歌山の宝物ともいえるこのまつりを全面的にバックアップしよう」と、今年も当日のみならず今月8日から「和歌祭ウィーク」として「つれもて和歌山」などの番組で、祭りを支える様々な人々を取り上げ、その魅力を取り上げてきました。
今年の渡御行列は、舞衣装をつけた「舞姫」が加わり66の種目。行列奉行から子供連尺までお年寄りから幼児まで地元の約1000人が参加する伝統の祭りは貴重です。
また面被(通称百面)、団扇太鼓などの衣装スタイルをじっくりみていると、その華麗さ、斬新さに感心させられます。
今年はアートキューブ周辺などで演舞場が設けられ、屋台が出るなど工夫がこらされ、家族連れや観光客など1万6千人で賑わいましたが、まだまだ「全国区の祭」としての可能性を秘めており、「もったいない」というのが正直な感想です。
(伝統の行列は、華麗で斬新。衣装を見ているだけでも楽しい)