
和歌山市のぶらくり丁が21日、久しぶりに紀州よさこいの若者たちで賑わっていました。
昨年夏には、約70年にわたって和歌山市民の娯楽を支えてきた映画館「シネマプラザ築映」が閉館。今年に入って解体工事が進み駐車場になってしまう空洞化現象を肌で感じていたところだけに、ぶらくり丁の活気は自分のことのようにうれしくなりました。
この日の賑わいは、この欄でもご紹介したようにぶらくり丁内の空き店舗に事務所を設けた「NPO紀州お祭りプロジェクト」が、今年8月19日(土)、20日(日)に行う「おどるんや2006」の本祭りの前宣伝を兼ねて行ったもの。「春の祭りinぶらくり丁」と題してよさこい踊りなどの11チーム、約250人が参加、商店街を練り歩いたのです。このよさこいは、和歌山では今年3年目ですが、年齢層も様々で、チームによって思い思いのカラフルな法被など衣装も個性にあふれ、とにかく踊っているメンバーの表情が生き生きとしていて新しいエネルギーを感じます。
地元のぶらくり丁は、毎日のように歩くのですが、築映の閉館に代表されるように空洞化が進み、危機感を抱きます。しかし、一方で同プロジェクトの事務所をはじめ、「キッズステーション」の事務所、ギター教室など若者への音楽発信事務所「TAKE OFF」の進出など新しい動きもあります。
そしてなによりも明るいニュースは、01年の破産後5年間閉鎖状態の百貨店「丸正」の本館建物と土地を、和歌山市内の不動産賃貸業「和島興産」(島和代社長)が買収、複合商業施設に再生される方向で動き出したことです。
島和代社長は、和歌山商工会議所会頭で島精機製作所社長の島正博さんの奥さん。ご本人も会議所女性部会の副会長として、慈善活動などにも活発に活動されており、「和歌山の活性化のために」とのご夫妻の心意気、使命感のようなものが伝わってきます。
和歌山市などによると、ニット生産の歴史見学コーナーや、食料品販売テナントなどの入居が検討されているそうです。
中心市街地のシンボルだった「丸正」本館は、破産後これまでも何度か売却交渉が進められましたが、地権者との交渉などで頓挫、閉鎖されたままになっていたもので、今回は、和歌山の活性化、再生の最大のチャンスです。
今日のよさこいの仕掛け人の西平都紀子さんは「絶対5年以内にこの周辺を蘇らせますよ」と相変わらずエネルギッシュです。
「地域密着路線」で和歌山の元気を応援していこう、を合言葉にする和歌山放送もこの動きに密着、一緒に盛り上げていこうと思います。

(身を切られるようにつらい築映の解体)

(築映跡はこの日すでに駐車場に変わっていました)