
このほど和歌山放送ハウジングセンターのセミナーハウスで個展を開いた際に、私もおじゃまして、名前の漢字、ひらがな、カタカナの意味・語源から詩を創る、独自の作品スタイル「名前の詩」に感動し、「和歌山放送」の名前で創ってもらったのがこの作品です。
笑顔 満開 心和む声が聞こえる、
歌が聞こえる。海、山、川、街の中。
いつでも どこでも。県内のみなさまに今日もとどける
顔は見えぬが、心は見える。
即興で生まれた詩ですが、この言葉の中にラジオ局の原点、和歌山放送が目指すべき方向が見事に凝縮されている気がします。
和歌山放送も開局から47年、09年には50周年を迎えます。良き伝統と慣習はいいのですが、制度疲労とマンネリズムも目立ちます。
デジタル化、インターネットとブロードバンドの飛躍的な普及による「放送と通信の融合」など、ラジオ局をめぐる環境は厳しく激変の時代を迎えています。
特に小泉政権、竹中総務相のコンビは、グローバリズムという名のもとアメリカ流の「弱肉強食」路線を加速させてきました。メデイアが中央集権、お金を持った者に集中していく傾向は決して利用者、国民にとっていいものではありません。
しかし、世の中のデジタル化、インターネット化でグローバル化が進めば進むほど、失ってはならないものもあります。アナログ的な暖かさと心、その地方独自の文化と個性が益々重要になってきます。
田中太山さんの言葉・詩には、こんな背景もすべて飲み込んで「ローカルなラジオ局の良さを見失うなよ」という叱咤激励も込められているような気さえします。
時代認識はしっかり見据えながらも社員一同「初心に帰ろうよ」。そんな気持ちもこめて玄関に掲げさせてもらいました。
田中太山さん、本当にありがとうございました。

(なお、田中太山作品取り扱い画廊は、銀座ギャラリー レザン
〒104-0061 東京都中央区銀座6-14-20 「株式会社レザン」
TEL:03-3524-8130 FAX:03-3524-8131)