
和歌山放送情報懇談会(会員制)の第70回記念シンポジウム「新知事と語る明日の和歌山 2007年県出身国会議員座談会スペシャル」は7日午後1時半から、和歌山市内のモンテグレ・ダイワロイネットホテルで約250人が参加して開かれました。

国会議員座談会は、和歌山放送の新春恒例の特別番組として定着していますが、今回は昨年来の和歌山県の官製談合事件で木村前知事が逮捕、師走の出直し知事選、仁坂吉伸新知事誕生という異常事態を受け、新知事も参加してもらって情報懇談会という席での知事の基調講演、公開討論という形式で行いました。その狙いはただひとつ。昨年来の暗いムードを一掃して、就任されたばかりの仁坂新知事や国会議員にこれから和歌山が目指すべき方向、ビジョンを語っていただき、和歌山再生、県民が元気の出るシンポにしようということです。
会場には、各自治体の首長、議員さんをはじめ和歌山県商工会議所連合会の島正博会長、経営者協会の中野幸生会長、和歌山大学の小田章学長、さらには作家の神坂次郎先生ら各界のトップの方々が参加、新知事の基調講演、知事を交えた座談会、さらにはシンポの後の懇親会までお付き合いいただき、和歌山を何とか復活、再生させたいという熱気にあふれるものとなりました。
このシンポの発言には、和歌山活性化のヒントやアイディアがたくさん詰まった有意義なものとありました。和歌山放送では、今月28日(日)午後2時から1時間半の特別番組で放送予定です。でひ多くの県民の皆様に聞いていただきたいと願っています。
就任1ヶ月にもならず、まだ副知事人事なども固まらない大変な時期に、快くこのシンポジウムを受けていただいた仁坂知事、多忙なスケジュールを調整して参加していただいた国会議員の皆さま、また新年早々、寒風吹きすさぶ中駆けつけていただいた参加者の皆さんに心から感謝申し上げます。
最後になりましたが、和歌山放送は今年も、「和歌山の元気・活力はわれわれの責任」という覚悟で番組づくりや報道はもちろん、今回の情報懇談会のような「タイムリーにインパクトある企画、イベント」にも果敢にチャレンジしていく覚悟です。今年もよろしくご支援、ご指導のほどお願いします。
□和歌山放送ニュース再録
◎情報懇で記念シンポ、全国会議員と仁坂知事が抱負
和歌山県選出のすべての国会議員を集めた和歌山放送情報懇談会の第70回記念シンポジウムが7日、和歌山市内のホテルで開かれ、仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事が基調講演し、国会議員が、「ふるさと還元税構想」を提唱するなど、あすの和歌山づくりのあり方について語りました。
この中で、基調講演した仁坂知事は、「働く場所の確保に関しては、市町村の用地など、すべての材料を集めた上で、県が代表で取り組み、トップセールスで企業誘致を実現するとともに、企業からの信頼を得るため、住民とのトラブルなどでは、県が間に入って解決に導くことも必要だ。また、若者の県外流出を食い止めるためにも、若い人達や企業が喜んでやって来る環境を作らなければならない」と述べ、教育環境や住環境の整備にも力を入れていく考えを示しました。
この後、行われたパネルディスカッションでは、衆議院和歌山1区選出で内閣府大臣政務官の谷本龍哉(たにもと・たつや)代議士が、「関西国際空港のおかげで、和歌山県は、世界に一番近い県庁になっている。歌手の松任谷由実さんが、コンサートのリハーサルにビッグホエールを選ぶほど、和歌山が持つ地理的なポテンシャルは高い」と指摘するとともに、和歌山ブランドの確立を強く訴えました。
衆議院和歌山2区選出で自民党地方行政専任部会長の石田真敏(いしだ・まさとし)代議士は、「和歌山県では、若い人の働く場が求められている。農林水産業では、輸出を増やし、果物の加工に力を入れるとともに、地場産業では、補助金の対象額を小さくして中小企業の高度化をはかっていく」と述べ、企業誘致では、「国会議員の人脈も活かしてほしい」と仁坂知事にエールを送りました。
衆議院和歌山3区選出で自民党国対委員長の二階俊博(にかい・としひろ)代議士は、「まだまだ世に出ていないものを和歌山県から発信していく必要がある。例えば、太地町では、腹びれが4つあるイルカが見つかったが、シーラカンスと同じくらいの大発見だ、と学者が言うので、農林水産大臣や仁坂知事に掛け合い、1億円かけて、くじらの博物館を改装することになった。白浜町の旧空港の活用も重要だ」と指摘しました。
衆議院比例代表選出で公明党国対筆頭副委員長の西博義(にし・ひろよし)代議士は、「定年後、田舎に帰りたい人をどのようにして吸収するかが問われている」と指摘した上で、「団塊の世代に対し、毎週土曜と日曜だけの手入れでも家庭菜園ができることをアピールしようと、去年4月から家庭菜園に取り組んでいて、ブログでも公開している」と自らの取り組みを紹介するとともに、「若い人達を和歌山に定着させるためには、結婚、教育、医療の心配を払拭する必要がある」と指摘しました。
参議院和歌山選挙区で総理大臣補佐官の世耕弘成(せこう・ひろしげ)参議院議員は、「ふるさと還元税構想」を提唱し、「三位一体の改革で、地方交付税が減る中、和歌山県民の税金で育った子どもが、税金を払えるようになると、東京や大阪に行ってしまう。このため、住民税の一部を、自分のふるさとに支払えるような仕掛けが作れないか、考えている。この仕組みができれば、ふるさとの都道府県が努力して、住民税を払ってもらえるような県にしなければならなくなる」と構想の意義を強調しました。
参議院和歌山選挙区選出で厚生労働委員長の鶴保庸介(つるほ・ようすけ)参議院議員は、水産業の活性化について言及した上で、医療制度について触れ、「医師会からは、反発を受けるかもしれないが、地域の拠点病院と開業医との連携強化を義務づけるような形で和歌山県にも取り組んでもらいたい」と発言し、仁坂知事に対しては、「県内外からの意見集約ができる仕組み作りをしてほしい」と注文をつけました。
参議院比例代表選出で国土交通委員長の大江康弘(おおえ・やすひろ)参議院議員は「政府はいざなぎ景気と言うが、地方はさざなみにも感じられない。小泉政権のアメリカ型政治が地方をダメにした。いまは東京が1人勝ちの状態だ」と指摘し、「能登空港に台湾からやってきているチャーター便を白浜空港にも乗り入れる取り組みを手伝ったが、観光を、先進国のバロメーターとして捉えて取り組んでいく必要がある」と観光振興の重要性を強調しました。
会場には、県内の政財界関係者およそ250人がパネリストの知事や国会議員の発言に耳を傾け、パネリストの仁坂知事も「きょうの発言を取り込んでがんばっていきたい」と話していました。和歌山放送では、7日のシンポジウムの模様を1月28日の午後2時から1時間半にわたって特別番組でお伝えします。
(2007-01-07 18:26)







(毎日新聞1月8日和歌山版トップ記事)