

昨年9月オープンしたばかりという器の店「ロアール」(和歌山市本町4丁目、電話073−432−6363)は、砥部焼、信楽焼、備前焼などの食器、花器などがセンス良く選ばれ、並んでおり落ち着く空間です。店の奥には、喫茶店のあり、最近私も良く通っています。店をやっている瀬藤多津子さんによると、もともとパン屋さんで、お母さんがもともと「器」が好きで別なところでも器の店をやっていたとか。
店内は、いつも器や花好き、絵の好きな友達が集まり、ゆったりした時間が流れていますが、今日はカウンターに珍しい花が活けてあり、お客の一人が「トケイソウや」。私は初めて見ましたが、色も形もこの世のものとは思えない美しさで息を呑みました。


トケイソウを見たのは初めてですが、花の名前には実は特別な感慨があります。
昨年亡くなった母が寝たきりになり、パーキンソン病の薬で幻想、妄想が見えるとき必ず「トケイソウ」が出てきたのです。
ネットで調べてみると、トケイソウは、パッションフルーツ トロピカルフルーツとして食用にされるものもあり、トケイソウ科 つる性低木で、原産は、熱帯アメリカ・アジア・オーストラリアとあります。
ロワールのお母さんによると、花の形が時計の文字盤、雌しべが時計の針に似ているところから「トケイソウ」というユニークな名前が付けられたといい、確かにこの花にも3つの針がありました。
また別のネットでは「学名のパッシフローラは『受難の花』」という意味で花の形態がキリストの受難を暗示するもので、花びらやまきひげなど各部位にそれぞれ意味があるそうです」とあり、はっとしました。クリスチャンとしてなくなった母の姿と重なってみえたからです。
季節の花々、そしてこんな珍しい花が何気なく活けてあるワカヤマ。これも都会では考えられないぜいたくです。