


台風一過、15日昼前に久しぶりの天気にお城を散歩しました。史上最大級というので和歌山放送の報道部も徹夜の特別態勢で備え、順次台風情報を発信し続けました。負傷者が出たり、家屋の被害や避難される方々もあり大変で、今後も農作物などの被害も心配ですが、大きな台風割には比較的被害が少なくほっとしています。
けやき通りでは、イチョウの枝が折れ、銀杏がいっぱい付いたまま転がっていましたが、お城の中はクスノキさんをはじめ枝が折れたり、倒れたりの被害は見られません。逆に正午過ぎからは、何事もなかったかのように青空が広がっていきました。
クスノキさんの付近にいた猫の母子がおらず心配しましたが、思わぬところで無事を確認してほっとしました。 クスノキさんにお参りして気になる猫の親子を探しましたが見つかりません。心配で祠を掃除していた老人会の方に聞くと、「ここではフンをするのでここからは締め出した。どこかにいるはず」といい、石垣の下を除くと、いました。他の猫と一緒に一の橋を入ったところのベンチにいつもボランティアでえさをあげてくれているおばさんらと一緒にいました。
あとでこのあばさんらに確認すると、やはりクスノキさんにいた母子だとか。私が確認したのは、母猫と子猫3匹でしたが、最初は4匹だったとか。
また私はこの母猫がこの城で育った野良猫で、自然の中で赤ちゃんを産んだのかと思っていましたが、いつも猫にえさをやっているおばちゃんらの観察力は違います。
この母猫は、それまで飼い猫だったらしく今年1月ごろ、赤ちゃん猫2匹とともにこのお城のベンチ付近に捨てられてきたんだとか。そう言われたら、このベンチ周辺に母猫とそっくりさんが一匹と他に白が一匹の2匹がおり、これが当時の子猫で半年で娘に成長したのだとか。
そして最近になって母猫がまたクスノキさん周辺で4匹を産んで、今残っているのがこの1匹。これもメスで、母と娘3匹の4匹がこれから一緒に暮らしていくようです。
えさをあげているおばちゃんによると、お城の猫も土管などで暮らしているが、雨が降るとずぶぬれで大変といい、今回生まれた他の子猫3匹は死んだのでは、と心配していました。
ちくわなどえさを毎日あげているおばちゃんにこんなになつき、認知されてこの猫一家もひと安心、私もほっとしました。
しかし、えさをやっているおばちゃんの話を聞くまで「お城で生まれ野良猫として生きるのが一番幸せではないか」とおもっていましたが、そんなに甘くはないようです。「かわいそうやからえさをあげてるけど、猫を飼ってこんなところに捨てたらあかんわな」というおばちゃんの言葉がずしりと響きます。

(クスノキさんの石垣の下、ベンチの下にいた母猫)

(半年で成長した娘の猫2匹)

(一匹だけ残った子猫)
□和歌山放送ニュース再録
◎台風4号、和歌山関係まとめ
台風4号は、今朝(15日)5時頃、串本町潮岬をかすめて、本州の南岸に沿って東に進み、今夜までに関東の東海上に抜ける見込みです。
県内に発表されていた気象警報はきょう午後4時15分、全て解除になりました。
気象庁によりますと、台風の通過に伴い、潮岬できょう午前0時23分に風速32・8メートルの最大瞬間風速を観測しました。また、南部沿岸では、台風接近時には10メートル近い波が打ち寄せる大シケの状態となりました。
台風と梅雨前線による雨は、11日の降り始めから5日めに入りました。きょう正午までの総雨量は、那智勝浦町色川で380ミリ、古座川町西川で379ミリ、田辺市本宮で375ミリ、田辺市龍神で350ミリなど、県中部や南部の多いところで350ミリを超えました。
県総合防災課などによりますと、この台風で、海南市で1人が頭に大けがをしたほか、新宮市と田辺市であわせて5棟が床上浸水しました。大けがをしたのは、海南市内の58才の男性で、きのう(14日)、台風に備えるため屋根にのぼろうとして、はしごから転落したものです。
一方、九度山町内では山崩れ、広川町内では土石流があったほか、あわせて14市町40か所で土砂崩れやガケ崩れがあり、道路が通行止めになるなどしました。水量が増した県内の各河川も徐々に水位が下がっています。
台風の接近時に、田辺市や那智勝浦町の一部で避難勧告が出されましたがすでに解除されました。一時、自主的に避難をした人は22市町村411人に及びました。きょう午後現在、田辺市内で10人が自主避難を続けています。
関西電力和歌山支店によりますと、台風により県内の8市町であわせて6千戸以上が停電しました。関西電力が復旧作業を進めましたが、日高川町の4戸では、依然、停電が続いています。
台風により、運転を見合わせていたJRきのくに線の紀伊田辺-新宮間は、きょう正午過ぎから運転を再開し、ダイヤはほぼ正常に戻っています。JR西日本によりますと、きのうからきょうにかけて、きのくに線で53本が運休や部分運休したほか、特急を含め68本の電車に最大3時間の遅れが出ました。
和歌山港と徳島港を結ぶ南海フェリーも台風で運航を見合わせていましたが、きょう午後4時台の便から上下便とも運航を再開しました。
(2007-07-15 17:13)