今年6月の国会で「津波対策推進法」では、濱口梧陵が稲むらに火を放って村人を避難させたことにちなんで11月5日が津波防災の日に制定されましたが、それを記念して、その舞台となった和歌山県・広川町で5日、植樹式や記念碑建立の式典や津浪祭が開催されました。
和歌山放送では「稲むらの火の館」前に放送ブースを設けて「ウインズ平阪のきょうも全力投球!!おでかけラジオ濱口梧陵に学ぶ!」と題して特別番組を生放送し、広川町の白倉充町長や、二階俊博衆議院議員、仁坂吉伸知事らが参加して開かれた記念式典や津浪祭などの様子や稲むらの火の館の展示物などを紹介しました。
また、濱口梧陵の稲むらの火の銅像がある広川町役場前では、俳優の杉良太郎さんがプロデュースしたという「濱口梧陵ご献上稲むら太鼓」が演奏されましたが、津波の襲来をイメージしたというドラの地響きのような音色と見事な和太鼓の演奏に感動しました。
□和歌山放送ニュース再録
◎「稲むらの火シンポジウム」開かれる(写真付き)
(2011年11月5日(土) 18:40)
浜口梧陵の功績を教訓に、近い将来発生が予想される「東海・東南海・南海地震」に備えようと、きょう(5日)午後、和歌山市でシンポジウムが開かれました。

これは、きょう(11月5日)が、「津波防災の日」と定められたことを記念して開かれたもので、河田惠昭(かわた・よしあき)関西大学社会安全学部長が、およそ300人の参加者を前に基調講演を行いました。講演で、河田学部長は、「南海地震の発生確率が、今後30年以内で60パーセント以上と予測されている」と述べ、いつ地震が発生してもおかしくないことを強調しました。
また、1946年に発生した昭和南海地震と同じ規模の地震が発生した場合、県全体に5メートル以上の津波が押し寄せる可能性があると指摘した上で、昭和南海地震の際、広村の住民が素早く避難したことで犠牲者を出さなかったことや、梧陵が築いた広村堤防が大きな役割を果たしたことを紹介し、梧陵の功績をたたえました。
シンポジウムは、この後、東日本大震災の被災地、岩手県山田町(やまだまち)の沼崎喜一(ぬまざき・きいち)町長の講演や東京のパネリストと中継を結んで、パネルディスカッションなどが行われました。
◎津波防災の日・広川町で「津浪祭」開催(写真付き)
(2011年11月5日(土) 13:06)
6月の通常国会で成立した「津波対策推進法」で、きょう・11月5日が「津波防災の日」と定められた事を記念して、広川町(ひろがわちょう)で津浪祭(つなみまつり)が開催され「稲むらの火」で知られる偉人・濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)を偲びました。

浪祭は、江戸末期の安政の大地震の際、稲むらに火を放って大津波を知らせ、当時の広村(ひろむら)・現在の広川町の人々を救った濱口梧陵の功績を讃えるともに、町の安全を祈願する祭典で、ことし(2011年)で109回目を迎えました。
毎年11月3日に行われてきましたが、梧陵が稲むらに火を放った11月5日が津波防災の日に制定されたことを記念して、ことし(2011年)は、きょう・5日に開催されました。
けさ(5日)から地元の広(ひろ)小学校と耐久(たいきゅう)中学校の生徒らが梧陵が私財を投じて建設した「広村堤防(ひろむらていぼう)」に土を盛ったあと、漁港前の広場で神事が営まれ、広川町の白倉充(しらくら・みつる)町長や、二階俊博(にかい・としひろ)衆議院議員、それに和歌山県の仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事ら来賓が、祭壇に玉串を捧げました。

広川町の白倉町長(11月5日・広川町)
この中で白倉町長は「先月(10月)湯浅広港(ゆあさ・ひろこう)に津波防波堤が完成したが、地震や津波の時はまず逃げる事が大事だ。梧陵の功績が高く全国に評価されたと受け止め、末永く受け継いで行きたい」とあいさつしました。

「濱口梧陵ご献上稲むら太鼓」(11月5日・広川町役場前)
一方、広川町役場前では、きょうのために俳優の杉良太郎(すぎ・りょうたろう)さんがプロデュースし、邦楽打楽器奏者の藤舎華鳳(とうしゃ・かほう)さんが作曲した「濱口梧陵ご献上稲むら太鼓」が演奏され、和太鼓とドラによる津波の襲来をイメージした地響きのような音色に町民らがじっと聞き入っていました。
昭和の南海地震で津波を経験した地元の主婦は「梧陵さんの功績が全国に発信されて誇りに思います」と話していました。
また、きょう(5日)和歌山放送では「稲むらの火の館」前に放送ブースを設けて「ウインズ平阪のきょうも全力投球!!おでかけラジオ濱口梧陵に学ぶ!」と題して特別番組を生放送し、津浪祭の様子や稲むらの火の館の展示物などを紹介しました。