2007年11月27日

社会経済研究所シンポ

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 県内唯一のシンクタンクの財団法人、和歌山社会経済研究所が年に1度開くシンポジウムが27日、和歌山市内の和歌山東急インで開催されました。テーマは「アジアの発展と日本の将来」。この日は、今年6月同研究所の理事長となったばかりの小田章氏が“2足のワラジ”で学長を務める和歌山大学が文部科学省に申請していた観光学部の設置が正式に決まったばかり。この日は主催者あいさつとパネルディスカッションのコーディネーター役を務めていましたが、成長するアジアと連携、共生しながら和歌山を活性化していこうという議論にも熱がこもっていました。
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 特に印象的だったのは、日本総合研究所副理事長で著名なエコノミストとしてテレビでもおなじみの高橋進氏が「成長センターアジア、そこにある日本」と題して基調講演でした。
 米国、EUと並んで中国をはじめとするアジアに世界は三極化している。とくに東アジアの域内貿易比率は55%とNAFTAを超えEUに迫る勢いで、事実上の地域統合が進み、ヒト、モノ、カネの移動が活発化している。
 人民元の切り上げでいずれは調整局面がくるチャイナリスクなどアジアにはリスクと脆弱性を抱えているが、そうだからこそ日本の公害や企業のリストラなどの体験が貴重で、アジアから求められている。今世界の成長センターであるアジアにあり近いこと
はラッキーで、東京の1極集中を云々するより、アジアの活力、ヒト、モノ、カネを呼び込むことが大事で「アジアを連れてくる発想」が必要、と訴えました。
 地域の生き残り策としては、北海道のニセコがパウダースノーの魅力でオーストラリアからの観光客や不動産投資を呼び込んでいる例をあげながら、地元にしか分からない和歌山の魅力をアジアに伝えることを強調しました。和大の観光学部についてはアジア地域からの学生を呼び込み、将来的に和歌山のことを紹介してもらい観光客を呼ぶ長期的な展望も大事だと述べました。


□和歌山放送ニュース再録

◎和歌山社会経済研究所シンポ開催

 アジアの発展と日本の将来に関するシンポジウムがきょう27日和歌山市で開かれました。これは和歌山社会経済研究所が人材育成啓発事業として開いたものです。
 アジアの発展を日本がどのように捉えていくかについてをテーマにしたシンポジウムでは日本総合研究所副理事長の高橋進さんが基調講演し、地域の生き残り策としてアジアの国々と向き合うことや地元にしか分からない和歌山の魅力をアジアに伝えることを強調しました。そして来年開設される和大の観光学部についてはアジア地域からの学生を呼び込み、和歌山のことを紹介してもらうことが大事だと述べました。
 また、和歌山県の仁坂吉伸知事はアジアの発展と和歌山のチャンスについて講演し、中国山東省と観光やビジネス分野などで協定を結んだことを紹介しました。そして技術力があれば、発展のかてになり、和歌山の農産物や機械、消費財などが売れると思うと述べ県民が力を合わせてアジア市場でのチャンスをつかんでいく必要性を強調しました。
 この後和歌山社会経済研究所専務理事の高嶋洋子さんらを交えて具体的な政策について意見を交換しました。
(posted by hodo at 17:16| 報道部)

◎和歌山大学観光学部設置認可が内示される

 和歌山大学が文部科学省に申請していた観光学部の設置が正式に決まりました。これはきょう(27日)、小田章学長が記者会見して明らかにしたもので、来月(12月)3日付で認可されます。 それによりますと来年4月に設置される観光学部は国立大学で初めての観光系学部で、定員は、観光プロデューサーなど観光産業や集客交流産業で活躍する人材を育成する観光経営学科60人と、地域再生プランナーなど観光行政などを企画立案できる人材を育成する地域再生学科50人の1学年あわせて110人です。
 今年春開設された経済学部観光学科の80人は、観光学部の2年生に編入されます。また新しい観光学部の学部長には関西大学名誉教授で経営学が専門の大橋昭一(おおはし・しょういち)さん(75歳)が就任することになっています。きょうの会見で小田学長は「観光産業に資する人材育成と、地域振興、地域再生を重視するとともに、観光においては日本だけでなくアジアの先端を走っている魅力ある学部にしていきたい。」と話しました。
 ところで観光学部設置が決まったことについて和歌山県の仁坂吉伸知事は「設置を待ち望んでいた私たちにとっては感無量の喜びだ。人材の育成や観光情報の蓄積と発信がされることで県内の観光地に新たな磨きがかかるものと期待している。」とコメントしており、連携して観光振興に力を入れることを明らかにしました。
 また和歌山市の大橋建一市長は、「観光に力を入れているところであり、観光学部と様々な連携ができると考えている。中心市街地の活性化基本計画においても大学は活性化の重要な柱と位置づけており、中心市街地への本格的な進出に向けできるだけの協力をしていきたい。」と話しています。
(posted by hodo at 18:21 報道部)
posted by wbs at 21:01| Comment(0) | 和歌山元気印
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