
竹内まりやの6年ぶり新作CD「Denim」がいまお気に入りです。タイトルは、その中の最後に収録された「人生の扉」の歌詞から取ったもので、年輪を重ねて魅力的で味わい深い曲が楽しめます。
君のデニムの青が
褪(あ)せてゆくほど
味わい増すように
50歳になった竹内まりやだから生まれるこんな歌詞が「人生の扉」にあります。
満開の桜や
色づく山の紅葉を
この先一体何度
見ることになるだろう
とも。
いろいろ経験しながら年を重ねて50歳を超えたけれど、いまの50歳代がいちばんいい。年をとると、体は弱っていくけれど、そして人生に意味はないと言う人もいるけれど、生きるということは素晴らしく価値はあるんだ、と。
そして私は60、70、80、90歳を超えるまで生きていきたい、とも歌っています。
団塊の世代の私たちにも大きな力を与えてくれており、新聞記者的に言えば、高齢化社会を迎えた時代の象徴的な応援歌にもなっています。がんの手術を乗り越え生還した知人の50代の女性は、この曲を聴いて涙がでてきた、と言っていました。
このCDの存在を知ったのは、3曲目の「返信」(映画『出口のない海』主題歌)をカラオケで聴いたのがきっかけでした。この曲も悲しいけれどいい曲です。
若いときの竹内まりやは、私はほとんど縁がなかったのですが、齢を重ねるごとに魅力を増し、「時代空気」を表現できるミュージシャン、シンガーがいてくれることは幸運で、「時代の宝物」だと思います。